上津屋橋が復旧開通 平成28年3月27日版
時代劇のロケ地として有名な、京都府南部の木津川にかかる流れ橋、上津屋橋(こうづやばし)が復旧しました。
2009年流出→2010年復旧→2011年流出→2012年4月復旧→同年10月流出→2013年4月復旧→同年9月流出→2014年流出と、近年は復旧するたびに流出し、復旧にかける費用がバカにならないと問題になりました。道路管理者である京都府では検討委員会を設置し検討した上で、橋が壊れにくい施工にした上で復旧することに決めました。(上津屋橋は、京都府道281号八幡城陽線を構成しています)
流れ橋だから多少床板が流れるのが当たり前、流れても早く安く復旧できるのが流れ橋の本来の目的なので、目くじらたてる方がおかしいのですが、2014年の流出が非常に激しく床板がほぼ全壊の様相を呈しており、復旧に相当な費用がかかることから問題視されたようです。以下の5枚の写真は2014年の流出から約1週間後に撮影したものです。
上流から流れてきた流木等によって破壊されているのがご理解いただけるかと思います。近年は日本本土も亜熱帯性気候になったのではないかと思われるほど集中豪雨時の雨量が増大しているので、何度も流されてしまうのでしょう。
今回の復旧は床板を0.75mかさ上げし、コンクリートを使用して永久橋に近づけた施工にしたようです。観光資源であることと公費の投入に限界があることの狭間での苦しんだ末の結論だったかと感じます。検討委員会の方々の労苦をねぎらいたいと思います。
八幡市側(木津川左岸)からの眺めです。遠目では従前の橋と変わらない様子です。テントや紅白の垂れ幕が見えますが、午前中に式典があった模様で、一般向け開通は午後1時でした。開通に間に合うように行きたかったのですが、少し遅れてしまいました。
看板が誇らしげに見えました。渡り初めになるので京都府の担当者の方や報道陣の方もおられました。
装飾がなく、直線が美しい木橋です。木の香りと防腐処理したであろう油の香りがほんのりと漂っていて、できたてホヤホヤという雰囲気を醸し出しています。
土止め工です。従来よりも高くなっているのがわかります。
下部から眺めると、金属による補強材が使われています。正面にある橋げたは、コンクリートと木のミックスです。
床板の見えるところは木製の意匠をできるだけ壊さないように配慮されていますが、下から見ると各所に補強のための金属部材が使われています。少し疑問に思ったのがコンクリート柱の色。木の色と違うので違和感があります。もう少し塗装色をうまくできなかったのかな?と思いました。もしかしたら経年変化を考慮して選択されているのかもしれませんですが、どうなんでしょうか。公費投入を考えると、塗られているだけでも良しとしないといけないのかもしれませんが。
久御山町側(木津川右岸)にも看板が立っていました。奥の方ではショベルとフレコンの山があって、まだ工事が続いていることを示唆しています。
右岸からの眺めです。式典会場を除けば人工物が少ないですね。
家族連れやご年配の方など、近隣の方が多い印象を受けました。自然災害は避けられないのでしょうけれど、今度は長持ちするように願うばかりです。
【現地への行きかた】
公共交通機関利用の場合は、近隣にある四季彩館への行きかたをご参照ください。
自転車の場合、京都府道801号京都八幡木津自転車道線で直接行けます。地図のダウンロードや近隣の観光地については京都府のページをご参照ください。
自動車の場合、台数は多くない上に夕方で閉鎖されますが無料駐車場があります。