五稜鏡記

写真機についての感想、主にKマウント機。

桜をたずねて2016 大浜公園

狭山池で大幅に時間超過してしまったので、予定していた白鷺公園と大仙公園はすっ飛ばして大浜公園に行くことに。昼食はカーナビで調べたプノンペンで食べました。Q7を持っていっていなかったので、画像はなしです。昼食には少々お高いですが、こだわりは伝わってきました。さらに高くなりますが、ヤキブタ乗せを食べたらよかったな~とちょっと後悔。

f:id:goryokyoki:20160329222710j:plain

 案内板を見て思わずツッコミ。日本語だけで書いてどないすんねん、ハングルと中国語でも書かないと意味あらへんで!ここらへんの仕事は、観光都市の方が充実しています。がんばれ、堺市

大浜公園、ソメイヨシノばかりだったようで、ちっとも咲いていませんでした。残念。海沿いにあって海からの風が吹くので、他のところのサクラよりも少し遅いのかもしれません。上を向いても花がないので、下を見ましょう。

f:id:goryokyoki:20160329223301j:plain
PENTAX K-5IIs,smc PENTAX-FA 77mmF1.8 Limited,77.0mm,1/250,f4.0,ISO200 Flickrで見る

f:id:goryokyoki:20160329223519j:plain
PENTAX K-5IIs,smc PENTAX-FA 77mmF1.8 Limited,77.0mm,1/250,f4.0,ISO200 Flickrで見る

道端に自生している花をみつけました。1枚目はf2.8も撮りましたが、f4.0の方がバランスいいと感じました。明るいレンズだとついつい絞りを開けて撮ることが多かったのですが、最近は適度な被写界深度を探りながら絞った時のキレを生かすという意識になってきています。FA77の柔らかい画がいいですね。最新のデジタル向きのカリカリレンズとは違ったオールドレンズ的描写ですが、立派な現行レンズ。QSFSとWRがついていたら・・・と思うときも多いのですが、描写自体はそのままでリニューアルされるのを希望したいです。

f:id:goryokyoki:20160329224206j:plain

これは、擁護璽(ようごじ)といいまして、1854年に起こった東海・南海地震津波の教訓と被害者が出なかったことへの神様への感謝を記した記念碑。説明文書は平成17年のものです。公園の片隅にあって、訪れる人もほとんどないと思いますが、災害の教訓はいつ役立つかわかりません。少し長くなりますが、この碑の持つ意味を知る人が多くなることを願って引用いたします。

碑文 現代語訳

 嘉永7年6月14日に強い地震があり、また11月4日朝、5日夕に強く揺れました。5日は堺の沖のほうにも異常がみられ、日暮れごろに急に津波がおこり、川を非常に激しく逆流し、引く時も激しく引いて、川岸に繋いでいた船はみな綱が切れたりして、一気にあちこちへ突き当てて、橋を8つも落としてしまいました。船はわれてしまったりひどく破損したりと、津波の恐ろしさは言いようもありません。

 地震津波で家はつぶれ、土蔵は傾いたものの、住民は神社の広い境内に集まって避難したりで、怪我をした人は一人もおらず、とても幸いなことでした。他所の海岸や川筋では、地震を避けるために小船に乗り皆で安心しているところに、津波で流された大きな船がぶつかってきて、その下敷きになり亡くなった人が無数にいたそうです。これは、川に逃げたためです。強い地震のときは、決して川船に避難してはいけません。

 かつて宝永年間にも今回と同じように地震が強く津波もあり、船に避難して命を落とした人が多かったそうです。このような例も明らかなので、地震が強いときは津波があることを知っておく必要があります。

 堺の人が無事であったありがたさを、産土神うぶすながみ神明宮しんめいぐう三村宮みつのむらぐう天満宮てんまんぐうにお礼の幣を捧げて感謝し、後の世に災難がないことを祈り、ここに祭ります。

東日本大震災を経た今、この碑文に刻まれた意味の重さを充分に感じることができます。津波の恐ろしさ、人的被害を避けられた幸運。そのときに沸き起こった心情をできるだけ生々しく後世に伝えたいという思いがこの擁護璽に刻み込まれていること。地震はいつ起こるかわかりませんので、備蓄や心構えが準備周到でありたいものです。

しんみりした気分をとりなおして、山に行きましょう。ここ大浜公園は登山もできる公園なのです。さっそく登山口に立ちました。

f:id:goryokyoki:20160329232831j:plain

「一等三角点」という文字が見えます。普通の山ではありません。明治時代に制定された国土を測量する際の基準点であり、その基準としても重要な一等の三角点です。測量するということは、見晴らしのいい高いところに設置するのが理想ですので、高山に設置されることが多く、「一等三角点百名山」で調べると名の通った山々がズラリと並びます。

・・・登り口から約45秒後、こちらの標識を見ることになります。

f:id:goryokyoki:20160329233841j:plain

種明かし。

f:id:goryokyoki:20160329234042j:plain

左側の案内柱には「一等三角点のある日本一低い山 蘇鉄山 登り口」と記されています。標高は6.97m。1939年(昭和14年)にはここに一等三角点が設置(正確に記せば、設置されていた近隣の山が削られたために移設)されています。この公園のすぐそばには旧堺灯台があるなど、昔は海岸に近いためにこの標高でも見晴らしがよく、大阪城天守閣や生駒山・葛城山・六甲山などの山々が展望できたそうです。

f:id:goryokyoki:20160329235849j:plain
PENTAX K-5IIs,smc PENTAX-FA 77mmF1.8 Limited,77.0mm,1/250,f4.0,ISO100 Flickrで見る

蘇鉄山という名前のとおり、山頂にはソテツが植えられていました。逆光で輝くソテツのツルッとした感じをとらえたくて絞りを変えながら何枚か撮りましたが、FA77 は開放付近だとパープルフリンジが出てしまいます。等倍も見ながら適度な画を選ぶと、またもやf4.0。開放が使いにくいというのはフィルム時代に企画されたレンズの弱点と見る向きもあるとは思いますが、それを場面場面で生かす面白さがあります。デジタルなので、失敗が怖かったら絞りを変えて撮ればいいだけです。

f:id:goryokyoki:20160329235914j:plain
PENTAX K-3,smc PENTAX-FA 31mmF1.8AL Limited,31.0mm,1/750,f4.0,ISO100 Flickrで見る

ハナニラでしょうか。植えられているのか、自生しているのかわからないほどに自然に咲いています。桜をたずねたのにぜんぜん桜がなかったわけですが、自然な感じで咲いている花もいいものです。この日はこれにて撤収。次の日に背割堤へ向かいました。