五稜鏡記

写真機についての感想、主にKマウント機。

国宝となった石清水八幡宮にお参りする

石清水八幡宮は、京都の南部、淀川を挟んで天王山の南側に位置する男山の山頂付近にある神社です。八幡宮総本社大分県宇佐神宮ですが、都から近いこともあって皇室との関わりも深く、現在においても三勅祭の一つ、石清水祭が毎年行われています。(勅祭とは、天皇の使者が派遣されて行われる祭で、古式に則って行う賀茂神社の賀茂祭、石清水八幡宮の石清水祭、春日神社の春日祭を三勅祭といいます)

とっくに国宝指定されていてもおかしくない歴史と格を持つのですが、神仏習合が色濃い古い時代に和尚さんが勧進したのがはじまりだったり、明治の廃仏毀釈まではその古い神仏習合の名残を濃く残していたりと「ちょっと変わった神社」であったのが影響しているのかもしれません。

廃仏毀釈で近隣に多数あった僧坊が全て打ち壊されたらしく、明治維新も立ち位置を変えて見れば、タリバンの遺跡破壊と同じレベルの蛮行だったと言えるかもしれません。フランスの中心部で同時多発テロが行われたのを見るにつけ、気軽に外出できて撮影が楽しめる平和な世の中が続くことを願って止みません。

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京阪電鉄八幡市駅改札を右に曲がるとケーブルカーで山上まで行くことができますが、左に曲がって一ノ鳥居から参拝することにしましょう。国宝指定される旨の看板が立っています。

今日はメインとして K-01 に DA21 をチョイス。建造物が主となるので DA15 や DA★16-50 を使うほうがいいのでしょうけれど、素直な画角で写し取りたいと思ったので回避しました。持っているのはsmcでHDではないのですが、HD化された5本の DA Limited の中で一番描写性能が向上しているという評判を見かけますので、いつかは試してみたいです。

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手前の門は木の地肌のまま、奥の門は朱塗りです。寺のような部分と神社のような部分が混在している不思議な感じがします。若干樽型の収差が見受けられますね。

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朱塗りの門を抜けて参道の右側に高良神社があります。徒然草第52段「仁和寺にある法師」にも出てくる古い神社です。当時はそれなりの規模を誇っていたらしいですが、現在は地元の氏神としてこじんまりとした様子です。

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たいへん素朴な水盤が備え付けられていました。ホワイトバランスがおかしいですね。オートにしていたのですが、落ち葉の黄色に影響を受けたのかもしれません。

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石段をえっちらおっちら登ってきました。国宝指定された本殿です。すでに陽が傾いてきて左側が影になっていますので、正午前ぐらいが最も綺麗に撮影できると思われます。

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朱塗りに金色の装飾が派手です。四角形の本殿の中に建物が建っている様式とのことですが、本殿に上がらないと中はわかりません。この本殿は徳川家光が建て直したものとのこと。他の神社に比べて若い建物なので(それでも381年)国宝指定が遅くなったのかもしれませんね。

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DA★55 で撮りました。堂々とした社殿です。下の方、庇の奥に龍と虎があります。もう少し長いレンズで寄ってみましょう。

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PENTAX K-01,smc PENTAX-DA 70mmF2.4 Limited,70.0mm,1/125,f5.6,ISO560 Flickrで見る

修理から上がってきた DA70 で撮りました。立体彫刻の龍と虎に塗りが施されていて、とても手間がかかったものになっています。庇の天井裏側にも抜かりなく装飾が施されています。

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装飾板(錺金具:かざりかなぐ)もこのような細かい文様が刻まれていて、手の込んだものになっています。将軍家光がその権勢を知らしめるのに不足ない社殿といえるでしょう。

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右側の立て看板のお知らせで、11/29の午後は山上に上がれないとのことですが、例祭というわけではなさそうです。信憑性には欠けますが、皇太子殿下の行啓が予定されているという情報もあります。日曜日ということもあり、もし時間があればどんな様子なのか見に行きたいですね。

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本数は少ないですが、境内にはもみじも植えられています。一斉に紅葉するのではなく、順番に色づいていくようです。

軽食のとれる休憩所や、淀川の始まりである三川合流点を見下ろす展望台もあり、単にお参りするだけでなくゆっくりと見てまわることができます。